店舗の床材の種類
店舗の床材には、さまざまな素材のものがあります。ここでは、店舗の床材の種類を解説します。
フロアタイル
フロアタイルは、ポリ塩化ビニル(塩ビ)で作られたタイル状のプラスティック床材です。
2~5mm程度の厚みがあり、屋内にて土足使用が可能で、傷が付きづらいという特長があります。近年は表面に木目調や石目調のプリント層を挟み、
その素材感を一層リアルに表現するためにエンボス加工が施されている商品が多いです。色柄や機能性が豊富で多様なサイズを選べることがフロアタイルの人気の理由です。
フロアタイルのメリット
フロアタイルのメリットは、低価格で購入できる点です。床の施工がかんたんで、汚れがつきにくく、素材が劣化しにくいため、
DIYの素材としても人気です。また屋内に土足で使える重歩行タイプは、耐久性や耐水性に優れているため、飲食店や大型商業施設、
ワンランク上の内装を目指したい美容サロンなどでよく使用されています。
フロアタイルのデメリット
フロアタイルは、防音効果が低い点がデメリットです。クッション性がない素材であるため、階下に音が響きやすくなります。タイルは耐汚性や耐水性には優れていますが、足元が冷えやすくなります。そのため、カーペットや床暖房などで、寒さの対策をすることが必要です。
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クッションフロア
クッションフロアは、フロアタイル同様にポリ塩化ビニル(塩ビ)でつくられた床材です。住宅用のクッションフロアは洗面所やトイレに使用されますが、店舗用のクッションフロアは、住宅用より厚みがあり、表面強化加工が施されているものが多い為、室内はもちろん住宅の玄関や店舗の売り場など土足部分にも使用できます。(売り場など土足での使用を想定しています。)
クッションフロアのメリット
クッションフロアは、フローリングよりも安価で購入できます。クッション性に優れて、物を落とした時や足音などの衝撃を吸収してくれるため、最近ではキッズコーナーなどに導入される店舗や施設が見受けられます。店舗用のものは、素材に厚みがあり、耐久性が高い点もメリットです。素材はハサミやカッターで簡単に加工しやすく、両面テープや接着剤などを使って施工ができます。
クッションフロアのデメリット
クッションフロアは、耐久性が低い点がデメリットです。素材のクッション性が高いため、荷重がかかる部分が凹みやすくなります。クッションフロアのうえに家具のようなものを置くと、接している部分の跡が残ることを考慮しましょう。紫外線によって色あせしたり、熱によって溶けたりする可能性もあります。
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カーペット
カーペットは、室内全体を覆う大きな絨毯で、床材として機能します。素材はナイロンやポリエステルなどの化学繊維、シルクやコットンのような天然繊維などがありますが、最近ではナイロンやウールなどの繊維が多く使用され、厚みや柔らかさが特徴です。遮音性に優れ歩行時の足音を軽減します。また、厚みや柔らかさがあり、足への負担を軽減し、快適な歩行感を提供します。
その形状や規格サイズ等によりロールカーペット、タイルカーペット、パンチカーペット、ラグカーペットなどの種類が存在します。特にタイルカーペットは、タイルのように敷き詰めていくことで1枚の絨毯のように見せられるパネルタイプの床材をいい、近年オフィス、商業施設、公共施設、及び学校・病院などあらゆる建物の床材として使用されるようになり大変普及しています。
カーペットのメリット
カーペットは、防音効果に優れています。床にカーペットを敷くと、室内全体や階下に響く音を軽減できます。また転倒しても怪我の危険性が少ないため、子どもやペット、高齢者などが多く利用する店舗や各種施設などでは、タイルカーペットを敷くことでケガの防止につながり安全性を高められます。ほかの床材よりも気軽に取り外しできるため、店舗の印象を変えたい時や寒い季節などに使用するのもオススメです。
カーペットのデメリット
カーペットのデメリットは掃除やメンテナンスをするのに手間がかかることです。カーペットは表面の繊維にゴミが入り込みやすいため、掃除機やスチームクリーナーなどで、こまめに掃除する必要があります。家具などの重量物を置いておくと跡が残りやすく、元に戻るまでに時間が掛かります。また飲み物などをこぼしてしまうと、汚れがシミになりやすいこともデメリットの一つです。
フローリング
フローリングは木材を加工した床材で、最も使われる素材です。フローリングには、木材を素材のまま使用する「無垢フローリング」と、表面材と合わせた「複合フローリング」があります。
無垢フローリングは、天然100%の無垢材を使用した床材です。一枚の板を単層でそのまま使用しているため、素材そのものの香りや肌触りを楽しめます。複合フローリングは、基盤となる合板の表面にスライスした化粧材を貼り合わせた床材です。突き板フローリングや挽き板フローリングは表層に無垢単板が、木質シートの場合は表層にオレフィンシートや樹脂シートが張ってあります。
フローリングのメリット
フローリングは、耐久性や耐熱性が高い点が特徴です。手軽に掃除ができることもあって、カフェやバー、美容室、ハウススタジオ、アパレルショップなどで広く普及しています。無垢フローリングは、天然素材でないと味わえない木のぬくもりや温かさを感じられる素材で、香りや手触りなどに素晴らしさがあります。複合フローリングは合板を使用しているため、防音や防ダニの機能をもちます。また比較的費用が安く、施工やメンテナンスの手間がかかりません。さまざまなデザインや機能性を持つものが販売されているため、イメージに合う床材が探しやすいです
フローリングのデメリット
フローリングは熱に弱く耐水性に欠けること、変形することがあります。無垢フローリングは湿気で膨張したり、反り返りが発生したりするため、ワックスがけが必要です。複合フローリングは傷がつきやすく、修復のコストがかかりやすいため、定期的にメンテナンスを行いましょう。フローリングは床材のなかでは、比較的高価な点もデメリットです。
畳
畳はイグサやワラでつくられた床材です。現在は樹脂のような、新しい素材を使用したものも販売されています。
畳のメリット
畳は断熱性能や防音性能などをもちます。天然のイグサは綿と比較して3倍の吸湿効果があるため、室内を快適に調湿することが可能です。畳は肌触りがよく、調湿効果も期待できます。樹脂でつくられた畳の耐久性は高く、軽量化している点が特徴です。再生資源を活用した、エコ素材で作られた畳も販売されています。
畳のデメリット
畳は水に弱い点がデメリットです。食べ物や飲み物をこぼした場合、シミになる可能性があります。ダニやカビも繁殖しやすいので、通気性のよい部屋に設置することをおすすめします。畳は数年ごとに裏返したり、メンテナンスをしたりすることが必要です。新しい素材の畳は、購入する際の費用が高くなる点を考慮しましょう。